この記事でわかること
・牛乳コップ1杯(200ml)のタンパク質は約6.8gで、卵1個ぶんに近い量であること
・卵、豆腐、ヨーグルト、鶏肉と同じ表で並べたときの牛乳の位置
・牛乳のカルシウムは量だけでなく吸収率で見ると強いこと
・おなかが弱い人の飲み方と、飲みすぎの目安
牛乳は、タンパク質をとる手段としては地味です。ただ、封を開けるだけで飲めます。調理が要らないぶん、忙しい日でも量が落ちません。まず、1杯でどれだけ入るのかをはっきりさせます。
牛乳のタンパク質はコップ1杯で約6.8g
普通牛乳100gあたりのタンパク質は3.3gです。文部科学省の食品成分データベースの数値です。牛乳は水よりわずかに重く、コップ1杯の200mlはおよそ206gになります。
コップ1杯(200ml=約206g) タンパク質 約6.8g カルシウム 約227mg エネルギー 約126kcal

これは卵1個ぶんに近い量です。鶏卵1個(可食部およそ50g)のタンパク質は約6.1gなので、牛乳1杯のほうが少しだけ上回ります。1杯で卵1個ぶん、と覚えておけば外れません。
牛乳のタンパク質はカゼインとホエイの2種類
牛乳のタンパク質は1種類ではありません。およそ8割がカゼイン、残りの2割がホエイタンパク質です(農林水産省)。
- カゼイン。牛乳を静かに置いたときに固まる側の成分で、チーズやヨーグルトの主役になります
- ホエイ。ヨーグルトの上に浮く透明な液体がこれです。水に溶けやすい性質があります
プロテイン飲料の原料としてホエイの名前を見かけるのは、もともと牛乳の成分だからです。特別なものを買わなくても、牛乳を飲めば両方が一度に入ります。
卵や豆腐と比べた牛乳の位置
同じ100gあたりで並べると、牛乳のタンパク質の量そのものは多いほうではありません。数字で見ます。
| 食品(100gあたり) | タンパク質 | カルシウム | 手間 |
|---|---|---|---|
| 鶏もも肉(皮つき・生) | 16.6g | 5mg | 加熱が要る |
| 鶏卵(全卵・生) | 12.2g | 46mg | 加熱が要る |
| 木綿豆腐 | 7.0g | 93mg | 切るだけ |
| ヨーグルト(全脂無糖) | 3.6g | 120mg | そのまま |
| 普通牛乳 | 3.3g | 110mg | 注ぐだけ |
量だけを見れば肉と卵が上です。牛乳の強みは別にあります。加熱も調理もいらない点と、タンパク質と一緒にカルシウムが入る点です。カルシウムが入るのは、この表では牛乳とヨーグルトだけで、鶏もも肉は100gで5mgしかありません。
牛乳のカルシウムは吸収率で見る
カルシウムは、食べた量がそのまま体に入るわけではありません。牛乳の吸収率は40パーセントです(農林水産省)。小魚や野菜からとるカルシウムより高く、量の比較だけでは見えない差になります。
ほかの栄養素も入ります。牛乳100gあたり、カリウム150mg、ビタミンB2が0.15mg、ビタミンB12が0.3μgです。B2は脂質をエネルギーに変えるときに使われ、外食が続くと不足しやすい成分です。
飲みすぎとおなかが弱い人の対処
目安は1日1杯から2杯です。牛乳の脂肪分は約3.8パーセント、コップ1杯で約126kcalあるので、何杯も飲めばエネルギーはそのぶん増えます。
飲むとおなかがゆるくなる人は、牛乳に含まれる乳糖をうまく分解できていない場合があります。次の3つで様子を見てください。
- 冷たいまま一気に飲まず、常温か温めて少しずつ飲む
- 空腹時を避けて、食事と一緒にとる
- ヨーグルトやチーズに替える。発酵の過程で乳糖が減っているため、負担が軽くなることがあります
それでも合わない場合は無理に飲まず、豆腐や卵に振り替えれば足ります。
国産の牛乳を飲むという選び方
牛乳は、そのほとんどが国内の酪農で生産されています。その消費量は減り続けてきました。飲用牛乳は2021年度で1人あたり年間約31.8kg、コップ1杯200mlで割ると150杯ほどです。2日に1杯に届きません。
牛乳は生産量を急に増やしたり減らしたりできません。牛は毎日搾る必要があるからです。消費が落ちれば、その分がそのまま酪農家の負担になります。朝の1杯を戻すことは、タンパク質とカルシウムを足すと同時に、国内の生産を支えることにもなります。
農林水産省とJミルクは「牛乳でスマイルプロジェクト」として、牛乳と乳製品の消費を広げる取り組みを企業や団体と一緒に進めています。
牛乳のタンパク質についてよくある質問
Q. 牛乳のタンパク質はプロテインの代わりになりますか
A. 成分としては同じ系統のものが入っています。ただし1杯で約6.8gなので、プロテイン飲料1回ぶんの量には届きません。手軽さで選ぶなら牛乳、量で選ぶなら別のもの、という使い分けになります。
Q. 低脂肪牛乳でもタンパク質は同じですか
A. 脂肪分を減らした製品はエネルギーが下がりますが、タンパク質は普通牛乳と大きく変わりません。商品ごとに差があるので、栄養成分表示で確認してください。
Q. 牛乳を飲むタイミングはいつがいいですか
A. 決まりはありません。おなかが弱い人は空腹時を避けるほうが無難で、それ以外は続けやすい時間で問題ありません。
Q. 温めるとタンパク質は減りますか
A. 温めても、タンパク質やカルシウムの量は変わりません。表面に膜が張るのはタンパク質が固まったもので、一緒に飲めば無駄になりません。
Q. 1日にどれくらい飲んでいいですか
A. タンパク質とカルシウムを補う目的なら、1日1杯から2杯が現実的です。エネルギーは1杯で約126kcalある点だけ意識してください。
まとめ
牛乳コップ1杯のタンパク質は約6.8g、卵1個ぶんに近い量です。100gあたりで比べれば肉や卵に及びませんが、加熱も調理もいらず、カルシウムが一緒に入り、その吸収率は40パーセントあります。忙しい日に量を落とさないための1杯として考えると、位置づけがはっきりします。
おなかが弱い人は温めるか、ヨーグルトやチーズに替えれば続きます。無理に飲む必要はありません。
参考にした資料
・文部科学省「食品成分データベース 普通牛乳」(タンパク質3.3g、カルシウム110mg、脂質3.8g、カリウム150mg、ビタミンB2 0.15mg、ビタミンB12 0.3μg、エネルギー61kcal いずれも100gあたり)
・文部科学省 食品成分データベース 鶏卵(全卵・生)/木綿豆腐/ヨーグルト(全脂無糖)/鶏もも肉(皮つき・生)
・農林水産省「もっと知りたい!牛乳のチカラ」(カゼイン約8割とホエイ約2割、カルシウム吸収率40パーセント、脂肪分約3.8パーセント、飲用牛乳の消費量2021年度1人あたり約31.8kg)
・農林水産省「牛乳でスマイルプロジェクト」